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「Adieu Jérusalem」
著者 : Alexandra Schwartzbrod
出版社 : Stock
本の種類 : ソフトカバー(14x3x20)
ページ数 : 402頁
ソ連の Kazan にある、科学研究所で、事故が起こり、その際、秘密裏に研究が進められていた黒ペストウィルスが、空気中にばら撒かれる。 ところが、そんな事をつゆほども知らない、研究所の近くに住む Mounir Baraka は、以前から予定していたメッカ巡礼へ、おじと共に出発する。
そして、メッカでは、原因不明の伝染病にかかった巡礼者が、次々死亡し、パニックが起り、それにより生まれた、根も葉もない噂が、危うい均衡を保っていた中東の政情を根底から揺さぶりはじめる。
2000~2002年に、リベラッション誌のイスラエル特派員を務めていた、著者の手による、イスラエルを舞台にしたポリティカル・サスペンス。
ペスト・ウィルスに感染したことを知らずに、メッカへ巡礼に出かけた、 Kazan の科学研究所の清掃員 Mounir Baraka、
アラブ系であるゆえ差別を受けながらも、任務を果たそうとする、イスラエル警察官 Eli Bishara、
ロシア系で、国民主義の、イスラエム市長候補の Andreï Sokolov、
中道派のイスラエム市長候補 Zeeb Kilmann と、トルコで書店を営むその姪 Ana Güler、
エジプトから巡礼者を治療するため、アラビサウジアへやって来た医師の Youssef Chedid、
フランスから、自閉症の娘と妻を連れ、メッカへ巡礼にやって来た Ibrahim el-Hakim、
アメリカ国務長官 Susan Rice と、その補佐官 Dennis Crocker、
強大な富を有し、経済を裏から操る、サウジアラビアの富豪 Emir Abu Dhabi、
等など、多彩な立場の人々の心内を描きながら、死に至る伝染病蔓延の混乱の中、根拠のない噂が生まれ、それに踊らされた人々が、暴力に走り、暴力が暴力を生み、イスラエルが、内部から、ボロボロに崩れてゆく様を、立体的に描いた問題作。
登場人物が多すぎるので、その一人に感情移入して、作品を楽しむという醍醐味を味わう事は出来ないものの、国際政治をつかさどる人物や、現地で生活する人々など、様々な立場の人物達のエピソードが、巧妙に織り交ぜられているため、臨場感溢れる、スケールの大きい作品に、仕上がっています。
【こんな人にお勧め】
【きわめて個人的な本の評価】
2013年6月3日にレイアウト修正。
著者 : Alexandra Schwartzbrod
出版社 : Stock
本の種類 : ソフトカバー(14x3x20)
ページ数 : 402頁
ソ連の Kazan にある、科学研究所で、事故が起こり、その際、秘密裏に研究が進められていた黒ペストウィルスが、空気中にばら撒かれる。 ところが、そんな事をつゆほども知らない、研究所の近くに住む Mounir Baraka は、以前から予定していたメッカ巡礼へ、おじと共に出発する。
そして、メッカでは、原因不明の伝染病にかかった巡礼者が、次々死亡し、パニックが起り、それにより生まれた、根も葉もない噂が、危うい均衡を保っていた中東の政情を根底から揺さぶりはじめる。
2000~2002年に、リベラッション誌のイスラエル特派員を務めていた、著者の手による、イスラエルを舞台にしたポリティカル・サスペンス。
ペスト・ウィルスに感染したことを知らずに、メッカへ巡礼に出かけた、 Kazan の科学研究所の清掃員 Mounir Baraka、
アラブ系であるゆえ差別を受けながらも、任務を果たそうとする、イスラエル警察官 Eli Bishara、
ロシア系で、国民主義の、イスラエム市長候補の Andreï Sokolov、
中道派のイスラエム市長候補 Zeeb Kilmann と、トルコで書店を営むその姪 Ana Güler、
エジプトから巡礼者を治療するため、アラビサウジアへやって来た医師の Youssef Chedid、
フランスから、自閉症の娘と妻を連れ、メッカへ巡礼にやって来た Ibrahim el-Hakim、
アメリカ国務長官 Susan Rice と、その補佐官 Dennis Crocker、
強大な富を有し、経済を裏から操る、サウジアラビアの富豪 Emir Abu Dhabi、
等など、多彩な立場の人々の心内を描きながら、死に至る伝染病蔓延の混乱の中、根拠のない噂が生まれ、それに踊らされた人々が、暴力に走り、暴力が暴力を生み、イスラエルが、内部から、ボロボロに崩れてゆく様を、立体的に描いた問題作。
登場人物が多すぎるので、その一人に感情移入して、作品を楽しむという醍醐味を味わう事は出来ないものの、国際政治をつかさどる人物や、現地で生活する人々など、様々な立場の人物達のエピソードが、巧妙に織り交ぜられているため、臨場感溢れる、スケールの大きい作品に、仕上がっています。
【こんな人にお勧め】
中近東に興味のある方。
【きわめて個人的な本の評価】
作品評価 : 3/5
フランス語難易度 : 3/5(易<難)
読みごこち : 3.5/5(難<易)
フランス語難易度 : 3/5(易<難)
読みごこち : 3.5/5(難<易)
2013年6月3日にレイアウト修正。
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- Category
- 小説・エッセイ・ノンフィクション
- フランス語レベル中級~上級向け